ドラゴンランス

クリサニアの歩んだ闇と光の道:神々から与えられた愛と気遣う力

善と悪。光と闇のバランス。これは、人間として生きていく中で、とても大きな課題ですね。ドラゴンランスなどファンタジー小説は、善と悪の闘いの中で、必ずしも善が100%正しいわけではないこと。強すぎる善は、独善につながることを教えてくれます。

昼の小道を歩もうとも夜の小道を歩もうとも気遣う力を大切に

大理石の乙女と称されたレディ・クリサニア。石のように硬いというのは、けっして褒め言葉ではありません。ちょっとした過ち・悪も許せないクリサニアに対して、あらゆる闇と光を経験したきたエリスタンは、「独善」で、世界を滅ぼしかけた神官王の芽があると評します。

クリサニア (Crysania)
パラダインの僧侶。パランサスの裕福な家に生まれるが、エリスタンの説教を聞き、パラダインの僧侶となる。悪をこの世から根絶するという野心に魅せられ、悪の魔術師であるレイストリンの計画に荷担する。ドラゴンランス伝説

そして、クリサニアは、世界を善で染めるべく。どんな悪も善の力で改心させられるとうぬぼれて、レイストリンの野望に力を貸してしまうのです。しかし、彼女は、レイストリンへの愛も持っていました。それが、大理石の心を溶かし、闇と光の双方を知ることができました。

善と悪のバランスこそ

「定命の人間は陽の光の中だけに、もしくは闇の中だけで暮らすべきではなく、その両方の中で暮らすべきなのだと。どちらも使い方を誤れば危険ですが、どちらもそれなりに良い点を備えています。」

光の中だけを歩む人は、その光に目をくらませられる。良いことをしている。正義の心の元、SNSで過ちを徹底的に叩きまくる人。間違った発言を許せない人。独善に心が染まったら、このクリサニアの言葉を思い出しましょう。

  • 夜の小道を歩くことを選んだ人
  • 昼の小道を歩く人

どちらの道を選ぼうとも

気遣う力=共感力こそ大切な能力

他人を愛する力、気遣う力は、わたしたち全員に与えられた能力です。神々からあらゆる種族に与えられた最大の賜物なのです。

私は、この気遣う力が人生を生きる上でとても大事だと思います。経済学の中で、アダム・スミスが言う共感力があるからこそ、資本主義社会で利己的に振る舞っても社会が機能するというのも含蓄ある言葉だと思いますし。

共感力がない人は、周囲の人に混乱とストレスを招きます。=パーソナリティ障害やカサンドラ症候群という心理学的な症状があるように!

あなたの共感力が弱ければ、クリサニアのように、様々な経験を積むことで、愛と共感を身につけることを願います。

周囲に共感力の弱い人がいて、苦労しているのなら、あなた自身は間違っていないと心を強く持ちましょう。

ドラゴンランス戦記~伝説のピエロ役。タッスルホッフは、自分の同族であるケンダー族と話が合わなくなってしまったとキャラモンに言うのです。

「みんなは、まったく、気にしないんだよ。気にするって難しいことだよね。キャラモン?時々、傷つくこともあるしさ。」

そして、キャラモンも答えてくれます。

「傷つくことは何度もある。でも、心の中が空っぽでいるよりは、傷つく方がましだよ。」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


関連記事


物語で心理学・マネジメント・哲学を学ぶ