スピリチュアルの始祖となったフォックス姉妹は、霊との交信をイカサマだと告白
ケイトとマーガレッタのフォックス姉妹によるちょっとしたいたずらがきっかけ。
1848年3月31日、幼い姉妹は、霊と交信してみようと考えて、幽霊さんと呼びかけた。そこから、ラップ音による霊界との交信がブームになったのです。そこに、現れたのが、フォックス家の古い友人。アイザック・ポスト。彼とフォックス姉妹の共作で、スピリチュアリズムは誕生しました。
スピリチュアリズムは、フォックス姉妹のいたずらで誕生
霊・スピリチュアルの起源は、ニューヨークのハイズビルではじまった子供のいたずら。
広く霊(心霊)の実在と人間への種々の働きかけを認める立場で,〈心霊主義〉〈心霊学〉などと訳される。哲学上の唯心論も原語は同じ。古来,洋の東西を問わず見られるが,狭義には1848年以降の近代スピリチュアリズムを指して用いられる。米国ニューヨーク州の寒村ハイズビルで起こったとされる,フォックス姉妹と死者との交信がその画期。コトバンク
ここで、余計なことをはじめたのが、アイザック氏。
アイザック・ポストは、霊界との交信を可能にする新たな宗教として、スピリチュアリズムを誕生させた。そして、科学によって、宗教のちからが弱まる時代の中。人々の心の隙間に、永遠の命やあの世・超常現象が、入り込むことになったのです。
すべてでっちあげとニューヨーク・ワールド紙に告白
しかし、単なるいたずらが大事になってしまったフォックス姉妹は、罪の意識に苦しみます。その結果、スピリチュアリズムの元となった霊との交信がでっち上げだったと告白。
最初に、家で聞こえたラップ音は、紐で結んだりんごを床で弾ませたもの。子供は嘘を付かないという思い込みの産物。
おなじみ、超常現象の科学から、ワイズマン博士の調べた内容を見てみましょう。
明るい場所で、聞こえる霊界との交信=ラップ音は、足の腱を動かす動き。足の筋肉を鍛えると、眼にも止まらない速さでかかとを床に打ち付けられるようになります。スピリチュアリズムは、最もたちの悪いイカサマです。完全に抹殺されてほしい。ケイトと私が明かした真実が、スピリチュアリズムの息の根を止めることを望みます。超常現象の科学
これは、苦しいですよね。嘘を真実と言い続けた姉妹の苦しみはどれほどのものだったことでしょう。
フォックス姉妹が、イカサマを告白した理由
そして、やはり、彼女の暴露の内容は、お金絡み。嘘を真実と言い続けることになった経緯はこんな案配。
ただ、そのあと、告白を翻すなど、精神的に不安定だったことが伺えます。
すべてがバッファロー薬科大学の結論どおり、足の関節を鳴らしたもので、トリックであり詐欺。
・当初は、リンゴを紐で結び、ベッドから床に落とした音で、まず母親を信じ込ませた。
・トレーニングした結果、足首か膝の関節を無制限に鳴らすテクニックを身に付けた。
・単なる悪戯から話が大きくなり、その事実を告白できなくなった。
・金銭がからむようになった段階で、当時かなりの年上の姉・レアに脅されるような形で、真実を口止めされた。と同時に、パフォーマンスを続けるうち、一家の金儲けも絡んできて、ますます、真実を公表できない状態になっていった。
それから約1年半後、マーガレットは暴露の内容の撤回をした。当時の彼女の貧困状態や、姉とのいさかいの中での情緒不安定な環境に乗じて申し入れて来た、前述の反スピリチュアリズム派の者からの金銭がらみの申し入れに応じたことなどを告白した。また、その後、生涯通じて彼女ら(マーガレットとケイト)は、この現象について事実であったと主張し続けた。フォックス姉妹
日本でも「こっくりさん」などで有名な霊界と交信できるツール。テーブルターニングやウィジャボードの動きは、観念運動と名付けられた無意識の動き。明治大学情報コミュニケーション学部教授 メタ超心理学研究室 石川 幹人氏は、PSI現象で動くものと解釈しています。
ここでは,心霊研究の時代から使われていた小道具として,「アルファベットボード」と「ダウジング」を取りあげる。昔は,霊魂の仕業でそうした小道具が動くと解釈される向きもあったが,現在では被験者の「非意図的筋肉運動(UMM)」によって動くものと解釈される。そのため,PSI現象であるかどうかは,その小道具に,被験者が通常知り得ない情報が表現されるか否かによって判定される。超心理学講座
科学的な視点からは、フォックス姉妹のインチキは、オカルトとされています。しかし、スピリチュアル・オカルトを信じる人は、たくさんいます。心の安寧を得るためならいいのですが、でっち上げによるオカルト・スピリチュアルで、健康維持・病気を治すというところに入り込むとアウト。そんなときは、フォックス姉妹の言う「最もタチの悪いイカサマ」という言葉を思い出したいと思います。
彼女達が。真実を告白しても、それを信じない人達も多い。これは、新興宗教やスピリチュアリズムを信じる人達に、真実や証拠を突きつけても、効果が弱いのと同じ。
そう、人は弱い。今まで、信じていたことのすべてが嘘だったと過ちを認めることが、なかなかできないのです。
空前の心霊ブームを巻き起こした霊媒のフォックス姉妹。姉のマーガレットが「全部トリックでした」とタネを実演してみせても、「悪霊がそう言わせてるんだ」と擁護する人たちがいた。頭がおかしいと思うだろう。でも、かっこつかないんだよ。それが嘘だと認めたら、自分なんだったのってなってしまう。
— 円盤人@怪談系YouTuber (@enbanjin) November 23, 2014
「再読」!RT @samakikaku 高橋昌一郎『反オカルト論』(光文社新書)を再読。まずスピリチュアリズムの起源とも言える、死者の霊と交信できるというフォックス姉妹の話から。姉妹は40年後にインチキを告白。今でもオカルト信者はその告白を信じず姉妹は霊能者とするが、本書は告白の背景を追求。…
— 高橋昌一郎 (@ShoichiroT) September 27, 2021