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怪しい健康法のカリスマは、データはあるのというツッコミに、陰謀論で返しがち

健康法のカリスマと言われる人の中で、根拠のない治療法や健康法を紹介してお金を稼いでいる人達がいます。それらに騙されて痛い目にあった人も多いのではないでしょうか?

今回は、そういった健康法のカリスマを見分ける方法をご紹介します。

医療や製薬会社は、100%絶対に病気を治せるわけではありません。救えない命や治せない病気もあるということを理解しておかないと、「健康法のカリスマ」にしてやられることになります。

  • 医療は、絶対ではない
  • 出産や育児・生きることは、簡単なことではない

まず、生きるということの大変さと医療が絶対ではないことを理解しておきましょう。

医療の進歩で、妊産婦死亡率は、とてつもなく低くなりました。それでも、100%ではありませんからね。

ユニセフが発表する「世界子ども白書2019」によると、2017年の日本の妊産婦死亡者数は44人。妊産婦死亡率は「5」であった。亡くなった妊産婦の数は16,700人中1人という計算になり、世界トップレベルの低さと言えるだろう。(※2)

とはいえ、日本においてもずっと妊産婦死亡率が低かったわけではない。厚生労働省が発表しているデータによると、1900年代当初の妊産婦死亡率は出産10万件あたり400前後であった。その後、医療技術の発達とともに、死亡率は大幅に低下していく。1980年代の妊産婦死亡率は約15前後。現在の水準に近付いたのは、1990年代後半からと言えるだろう。(※3)日本の妊産婦死亡率の現状

健康法のカリスマ:その共通点は、データ不足やごまかし

書籍、禍の科学は、健康法のカリスマの共通するところを紹介してくれています。ポール・A・オフィット氏によるこの本。良いことをしているつもりが悪や禍に変わることをつぶさに紹介してくれています。ジョジョの奇妙な冒険「ストーン・オーシャン」で、サンダー・マックイイーンという悪意の無い敵に遭遇したように、悪者のすべてが悪意を持っているわけではないというのも大事な点だと思います。

禍の科学:人間的な魅力や陰謀論

カーテンの後ろにいる小男に注意しろ

健康法のカリスマは、自分の人間的な魅力で根拠の弱さをごまかそうとする。そして、彼らは問い詰められることを嫌がる。カーテンの後ろに隠れていた小男の正体がバレると、彼らはたいてい、こんなことは不当だと叫ぶ。自分たちの説が間違っているわけではなく、悪の勢力が、自分たちをやっつけようとしているのだと主張しはじめるのだ。禍の科学

健康法のカリスマは、自分や周囲の少ない体験を絶対のものとして考えます。あくまでも一つの事例に過ぎないと理解しているのなら、問題はないはず。問題になるのは、その方法が絶対であるとして、周囲に押し付け始めること。

そして、その根拠やデータを問うと、逆ギレします。データや根拠はないけれど、自分を含めて、こんなに体験談があると言うのが良くあるパターン。

  • 自分を信じて欲しい
  • こんなに体験談がある

そして、そんなに良いものなら、なぜ、社会や世間に広まっていないのかと問い詰めた時、「悪の勢力」「製薬会社の陰謀」「病気がなくなると困る業界がある」などと陰謀論を話し出すのです。

製薬会社が潰れる 政府や権力に攻撃される

そんな話が頻繁に登場する場合、信じられるでしょうか。普通の常識を持った人は信じないと思います。ただ、日頃から社会や政府への不満を溜め込んでいると、こういった陰謀論に乗ってしまいがち。

健康法のカリスマが、実際に行った事例:ウェイクフィールドによる反ワクチン

アンドリュー・ウェイクフィールド:MMRワクチンが自閉症の原因になる。

子供が自閉症になるのは、育て方が悪いからだとい割れ続けた両親の罪悪感。これ、本当につらいですよね。

その罪悪感を減らすことができる主張になったのが、ワクチンで自閉症になるというウェイクフィールド氏の主張。これによって、反ワクチンブームが起きてしまいました。

1998年にイギリスのアンドリュー・ウェイクフィールドという医師が、麻しん・おたふくかぜ・風疹の混合ワクチン(MMRワクチン)が自閉症の原因になると言い出した。 12件以上の研究が行われて、MMRワクチンが自閉症の原因になることはないとはっきりした。 ウェイクフィールドは、ゆずらず。あらゆるえせ科学者が誤りを証明されたときに。出る行動を選んだ。他の研究者たちが自分の結果を再現できなかったのは、彼らが医薬品業界の圧力を受けているからだと言い始めたのだ。世界中の何千人もの研究者達。公衆衛生当局の担当者達、小児科医たちが成約貸家の意のままに操られているというこじつけを信じ込ませようとした。

ライナス・ポーリング博士の事例:ノーベル賞を取ったポーリング博士も同じような主張をしています。

ビタミンCでがんを治療できるという自らの論の誤りを指摘されたライナス・ポーリングも同じ。医学界は、長年。金儲けに利用してきた高価な化学療法をビタミンCのような安い製品で代用させたくはないというわけだ。 ウェイクフィールドやポーリングの説が正しかったなら。後の研究で正しさが証明されたはず。彼らが選んだ道は、誤りを指摘した相手を攻撃することだった。

きちんとデータがそろっていれば、いいのです。

質問やツッコミに対して、製薬会社などの陰謀論で返してくる

しかし、健康法のカリスマに対して、データはあるのか?、副作用はあるのか?、良い方の体験談しかないようだが信憑性はあるのか? などと質問して、陰謀論が返ってくるようだと、怪しいと思いましょう。

もし、研究者が陰謀論を口にしたら、その相手が唱える説に根拠はないと思った方がいい。「真実を権力に話せば攻撃される」という彼らの言い訳はそれらくし聞こえるかもしれないが、だからといって正しいとは限らない。

そして、新しい事は、権力や金儲け主義の製薬会社に潰されるという意見には、こう返しましょう。もちろん、わかって実行しているヤバい奴には、関わらないのが一番ですけどね。

数学者のノーマン・レビットいわく。「ガリレオが権力に逆らったからといって、権威に逆らうものが、必ずしもガリレオではない」

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