統一教会と関係していた政治家を巨悪にして、正義の刃を振り下ろすのが正しいのか?

統一教会を巡る報道が止まりません。

ただし、自民党議員と統一教会の関係性や癒着の程度ばかり報道したり、彼らを巨悪にして弾劾するよりも、他に報道や調査することはあるはず。

それは、統一教会の教義や勧誘方法。元信者の体験談など。

どうも、統一教会が凄まじい力を持った団体で、自民党はじめ保守派の主義主張に強い影響を与えているとのシナリオでの報道が多い。そちらの方向性も大事ですが、それだけでいいのかと思います。

政治家と統一教会の癒着が巨悪なのか?

カルト団体や怪しいい宗教は、利用できるものは何でも利用します。金融詐欺でも米銀行のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどがハロー効果(後光効果)に利用されているのと同じ。

もし、現野党が、政権の座にあれば、野党議員も多いに利用されていたことでしょう。

そして、マスコミ全体に言えることは、政治家の知性に対しての間違った認識。

  • すべての情報を知った上での理想的な判断を求める傾向
  • 政治家は、カルト団体に操られる劣った知性(あまり良い表現ではありませんが、お許しください)

この矛盾した知性を求めているような気が致します。

普通に考えてみてください&学んでください。特に反社会的なカルト団体の教えはトンデモナイ内容です。そんな内容に、本気で賛同する人は少ない。それは、私達がオウム真理教の事件でも知ったはず。

肝心なのは、そんなトンデモナイ話を信者たちは、なぜ信じるのか。理由の一つに、表面上は、平和や愛など誰もが賛同するような言葉で心の隙間に入り込むこと。人間関係や信頼を作り上げてから、本当の教えを始めるのがマインドコントロールの基本。そういったマインドコントロールの手法や教義の危うさ・矛盾点を報道して欲しいと思うのです。

池田信夫氏の意見も言葉はキツめですが、なるほどと思う点があります。まあ、左巻き弁護士というのは言い過ぎだと思いますけどね。

江川紹子さんも著書で書いているのですが、カルト宗教と戦った経験がある方は、「話の通じなさ」「何をするか分からない恐怖」「トンデモナイ話を押し付けてくる」「正しいと思い込んでの押し付け」。これらに対して、強い怒りや自分の無力さを感じてしまうのです。

それが、現在の対統一教会報道に向いているような気が致します。

ただ、その憎しみの心をきちんと理解しないと信仰心そのものの否定。そして、正義の押し付けというカルト団体と同じことをすることになってしまいます。

漫画のるろうに剣心に出てくる斎藤一(さいとうはじめ)。

元新選組の隊士。近藤勇や土方歳三に比べると知名度で劣るものの、るろうに剣心で人気になった人物。

彼のモットーが「悪即斬(あくそくざん)」。それが、彼の正義だったのです。

悪いと判断した相手は、すぐに斬る。そうやって、自分達の考える正しい方向に時代を動かそうとしました。でも、明治維新で、多くの志士・政治家が人斬りに倒れたのは、大きな損失でした。

るろうに剣心

悪即斬

現代に生きる我々は、悪即斬の間違った正義に囚われてはいけないと思います。

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