人工知能「幸田真音」の外池社長の言葉「今の君がそのときの君の背中を押してくれるだろう」に泣く
幸田真音氏の小説「人工知能」に、成功体験の大切さが描かれています。
成功するためには、自信と経験が必要になることは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、源義経と北条時政&上総広常の三人が、やりとりする場面がありました。
自信と経験がなかったら何もできない
作戦を提案する義経に、上総広常は、経験がないのに自信あるんだなと皮肉を言うと、義経は、こう返します。
義経は「経験もないのに自信もなかったら何もできない。違うか?」
そう、経験と自信。この2つがあるからこそ、成功することを信じて実行することができます。
人工知能の新谷凱
小説「人工知能」でも。主人公の新谷凱は、才能こそあるものの大変な人生を送っています。結果、鼻柱は強いものの、少しずれた生き方をすることが多く。いざとなれば強いのに、失敗もたくさん。
- 自分のミスで、長兄が病弱に
- やりたいことが見つからないまま大学に
- 旅行代理店のツアーで騙される
- 就職した会社が傾いて研究開発が削られる
- 上司に反発して大喧嘩
物語だけに、これでもかと大変なことが襲いかかってきて、心が折れそうになる主人公の新谷さん。
しかし、ここで、救いの手が差し伸べられるのです。それが、大学の講師だった外池氏。彼の誘いで、人工知能の会社に転職。
でも、そうは、簡単に物事は進みません。右も左もわからない新谷君に、外池社長は、いきなり問題のあるクライアント(ペイフォークス)を任せます。この辺は、新進気鋭のベンチャーあるある。とりあえず、新人であろうと案件を任せてみる。人がいないので、仕方のないところですね。
そこで、新谷凱は、何くそとくらいついていきます。営業担当の大田垣氏のアシストも得ながら頑張るのです。
- 徹底したクライアントへのヒアリング
- 部署や人により、違うニーズの取りまとめ
- 最終的にクライアントのためになる提案
これらの解決方法をなんとかひねり出して、やっかいなクライアントから契約を取り、まとめあげることに成功するのです。
このペイフォークスに対する新谷凱の対応方法。物語だからうまく行ったという見方もできるでしょうけど。ビジネスの進め方・商談相手の言うことがコロコロ変わって困ると悩んでいる方には、刺さる言葉・考え方だと思います。
外池社長の贈る言葉がいい!
そして、なんとか、契約を取りまとめた主人公に、外池社長が言う言葉が素晴らしい。ここは、ぜひ、読んでいただきたいところです。
この先いつか、君がなにかでめげそうになったとき、そういうときは必ず来るものだから、そんなときは今回のことを思い出すといい。
今の君自身が、きっと、そのときの君の背中を押してくれるだろうから。
小さくてもいい。過去の成功体験こそが、つらい時・落ち込んだ時の自分を支えてくれるという考え方は、私も賛成です。
私自身、ああだめだと思った時には、過去の成功体験を思い出します。そして、大丈夫、あの時もやれたんだ。今回もできる。もしくは、失敗してもなんとか切り抜けることができたんだと自信を回復させて、物事に臨むようにしています。
幸田真音さんの人工知能
この小説。人工知能や自動運転を取り扱っており、そういった分野に興味を持っている人におすすめです。
それに加えて。仕事に悩む方に、島耕作や高杉良の起業小説と同じく、参考になると思います。