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昔はよかった。今どきの若者は、・・・現実を肯定するより否定する方(良いニュースより悪いニュース)が、人気のある理由

人間は、現実を肯定するより否定する方を好みます。いいニュースよりも悪いニュースが、世の中に溢れているのはそのため。

けっして、誰かが、仕組んで、そのようになっているわけではありません。営利組織であるメディア自体がそうなるのも致し方ないでしょう。

否定的な話は、肯定的な話より受け入れやすい

ニュースの見出しが、どんどん過激になっていくのは仕方ない。かのマイクロソフトのビル・ゲイツもこう言っています。

ビル・ゲイツいわく、「悪いニュースは、見出しを飾るが、段階的に改善していく良いニュースは、見出しにならない。」

これ、わかってはいても、実際に、そういったニュースに接すると忘れがちなことですね。

  • 昔は、よかった・・・
  • 現代の若者は・・・
  • 昔に比べて犯罪が増えたねえ

このような言葉は、たいてい、間違っています。でも、いくらデータで説明しても、なかなかわかってもらえません。

世界は良くなっているのに、悪くなっていると思う理由

世界は確実に、良くなっています。私の子供の頃、学校は、荒れ果て、校庭をヤンキーが走り回っていました。先生は、注意することを諦め、体育の授業は、ヤンキー達のサッカーでかき回されていました。

川は、洗剤の泡がブクブク浮かび、日本各地で四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病と公害の嵐。それが、今は、大きく減りましたね。なのに、昔は良かった。昭和は良かったと嘆く人が多いのは、なぜでしょうか。

ハーヴァード大学のスティーブン・ビンカー教授は、不合理な悲観論について、こう語っています。

世界は、時間とともに良くなっている。しかし、大多数の人が世界は悪くなっていると思っている。

預言者、専門家、批評家、霊能者たちは、この世の終わりが迫っていると警告すれば、手っ取り早く重々しい素振りを身につけられるとわかっている。世界は良くなっていると指摘する人たちは、-データを読み上げるだけの冷静なアナリストであっても-おめでたいうぶな連中として片付けられてしまいかねない お金で騙す人。お金に騙される人

そうなんです。投資や運用の世界だとよくわかります。大暴落や大暴騰を予想する記事やニュースは、人の興味を引き、良く読まれます。しかし、去年と同じや少し上昇するだろうという当たり前の予想は、読まれにくい。

専門家やカリスマ性を望む人にモノやニュースを売るには、楽観論より悲観論の方が有利なのです。

私達は、こういった人間の心理を理解し、心理学を悪用する輩から距離を置くか、データや他の情報をあわせて見ることで、守らないといけません。

ツイッターなどで、良いニュースを流しても「いいねはつかない」。ところが、悪いニュースには、凄く反応するのも同じような心理状態から。

少年犯罪の推移:事実は、現在より昔の方が悪かった

少年犯罪は、1980年代が、多く、その後、減少しています。確かに、1980年代は、荒れていましたね。なんだかよくわからない焦燥に駆られていたような気がいたします。

このことからも、単なるイメージではなく、データの重要性がわかりますね。

生物の基本本能も、良いニュースより悪いニュースに敏感な方が生き残りやすい。敵がきたぞー、狼がきたぞーといった悪い情報に素早く反応する方が、生き残りに有利な個体だったでしょうからね。

 

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