影武者徳川家康:自分の人生に満足していない親を持つと不幸・悲惨の理由とは
隆慶一郎著「影武者徳川家康」に出てくる一節。
自分の人生に満足していない親を持った子供は、不幸であり悲惨である。
これ、とても大事なことだ思うんですよね。いつもご機嫌で余裕のある親。
そんな親がいることは、子供にとって、幸せなこと。
自分の人生に満足していない親を持つと不幸であり悲惨。
では、なぜ、そういった親は、ご機嫌で余裕があるのか。それは、自分の人生に満足しているからではないでしょうか。
逆に、いつも不機嫌で不満ばかりの親は、何が原因なのでしょうか。そして、親の期待を一身に背負うプレッシャー。悪い意味での重荷になるのは、そこに大きな原因があるのではないかと思います。
親であろうとも子供を所有物と見てはいけない。わかってはいるものの、現代社会では、難しい問題の一つですよね。
小さい子供は、親に依存している生き物。そこから、徐々に依存⇒自立へと導いていくのが親の役目といえるでしょう。そのための生物の本能として、イヤイヤ期や反抗期もあるのでしょう。そこで親離れ・子離れをしていくのが理想的。
子供は、すでに一個の人格を持っている
隆氏が、子供を親のものと思ってはいけないと書いているのもそこの大切さゆえ。
子供を親のものと思うのは誤りである。子供はすでに一個の人格であり、何人にも所有されていい生き物ではない。だが生まれ落ちたばかりの赤子については事情が異なる。これだけは、母の所有物に近いとは言えまいか。
しかし、赤子のときだけは、母親の所有物に近い。赤子は、親がいなければ生きていけません。つまり、依存100%の状態ですからね。
さらに、親が自分の人生に満足していない場合、子供のつらさは、とても大きなもになります。
風魔の忍びに生まれたがゆえに
箱根の風魔忍び。その一族の跡継ぎとして生まれた赤子をめぐり、父親の六郎と母親のおふうは、悩みます。
このまま、生まれたばかりの赤子とともに、夫婦水入らずで暮らしていければ、どんなにか幸せか。
でも、六郎には、わかっていました。自分が、そんな生活で満足できないことを。そうすると、いずれ、平穏な生活を選んだ自分や家族に不満を持ち始めます。下手をすれば、家族がいたからだと当たり散らすかもしれませんね。
そして、おふうの方も同じ。平穏を選んだゆえに、不満を抱えたままの生活になってしまう。
自分の人生に満足しない父と母を持った子
何年か先になれば、必ずや平穏な生活を選んだことを死ぬほど後悔することになろう。自分の人生に満足していない父を持った子は不幸である。
そして、自分の生に満足しない母を持った子は、悲惨であろう。
影武者徳川家康中巻
- 自分の生に満足していない父を持った子供は、不幸
- 自分の生に満足していない母を持った子供は、悲惨
良くありますよね。子供に親の夢を託してしまう。子供を自分の言いなりにする。あなたのためだからと敷いたレール通りに歩ませたがる親。
これらの原因の多くは、親自身が、自分の生に満足していないからだということを隆慶一郎氏は、伝えたかったのでしょう。