新興宗教の教祖が、自ら神や預言者を名乗る心理とは何ぞや?
新興宗教の教祖で、神を名乗っている人達がいますね。そう、オウム真理教の麻原彰晃氏も神を名乗っていました。
普通の人なら、とても名乗れない神の称号。まったくもって、トンデモナイ話です。でも、こんなとんでもない話を真剣に語り、信じている人たちもいるのです。なぜ、自ら神と名乗るのかその心理を探してみました。
自ら神を名乗る人の考え・心理とは
日本サッカーの礎を築いた鹿島のジーコ選手。日本では、サッカーの神様と称されましたが、カトリックの多い母国ブラジルでは、そんな称号を名乗れません。
そして、キリスト教をはじめとした従来の宗教にとって、神や預言者を勝手に名乗るのは、最大の冒涜になります。キリスト教では、イエス・キリストに偽装する反キリスト・偽キリストは、悪魔の具現化した者とされており、最後の審判においても救いは与えられない最悪の存在。
偽預言者も、同じ。彼は、羊毛の衣服で現れるが、内面は、貪欲な狼。彼の果実=行動によって、偽預言者の正体を暴くことができるとされています。
偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側はどん欲な狼である。あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。新約聖書 マタイによる福音書7章15-20節
それでも、カルト宗教の教祖(グル)が、聖者や神を名乗るのは、どうしてなのでしょうか?
新興宗教の教祖が、神を名乗る理由は、誇大に膨らんだ自己愛
精神科医の岡田尊司氏が、マインドコントロールという書籍で書いてくれています。最も、納得した理由がこれ。
「誇大に膨らんだ自己愛」
カルト宗教者が、自ら、聖者や神を名乗るのは、そうでなければ、救われないほど、「誇大に膨らんだ自己愛」を抱えた存在だから。しかし、自信と確信に満ち、自分が思い込んでいる真実を語るさまは、強烈なインパクトがある。
マインドコントロール
神を名乗る教祖は、たいてい、不安定な精神構造を抱えており、妄想症や神経衰弱を患い、自己断片化の瀬戸際という状態。
社会での苦労やコンプレックスを社会への恨みや人々への復讐に向ける例も多いと言われています。
教祖は、コンプレックスや苦労から神の啓示を受ける
社会や宗教が、自分を救ってくれないと苦しんだ後、教祖は、啓示を受け、「真理」を悟った確信を抱いてしまいます。その啓示は、30~40代の苦悩や病気の時期にやってくることが多い。
こうなると大変。教祖が啓示を受けたと絶対の自信を持ち、呼びかけると強いカリスマ性を持ちます。そして、周囲に、教祖を礼賛する弟子が集まると、教祖=神と崇めるトンデモナイ集団が誕生。
常識で考えれば、自ら神を名乗る人が言うことなんて「トンデモナイ話」。そんな話をありがたがったり、奇跡を起こしたと崇めてもいいことなんてありません。
お金と時間を巻き上げられるか反社会的な活動・思想に巻き込まれて、今までの人間関係を断ち切られることになってしまいます。
- オウム神理教の麻原が名乗った神:アビラケツノミコト(神軍を率いて戦う光の神)。マイトレーヤ(弥勒菩薩)
それでも、教祖自ら神を名乗る新興宗教の教団は、存在していますね。そんな団体に出会うことがあれば、関わらないことをオススメいたします。