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なぜハマるの?荒唐無稽な陰謀論を信じる人の理由をまとめました。

新型コロナウイルスのパンデミック。トランプ大統領vsクリントン候補とバイデン候補の大統領選挙。これによって、一部の人が信じているだけだった陰謀論は、一気に市民権を得ました。人は、なぜ、陰謀論を信じるのでしょうか。今回は、その理由をまとめてみます。

もちろん、世の中には、陰謀論の中に正しいものもあると思います。ブッシュ元大統領が行った対イラク戦争。このとき、米政府が公表していた大量破壊兵器は、なかったわけですからね。

一見、荒唐無稽な陰謀論をなぜ信じるのか

陰謀論の中には、ワクチン内に5Gが仕込まれている。人類を絶滅させる陰謀だと荒唐無稽なものが多数あるのも事実です。人は、なぜ、こういったとんでもない論を信じてしまうのか。不思議ですよね。

不安や医療を信じていない人が陰謀論にハマりやすい

陰謀論にハマりやすい人には、多くの特徴があります。

  • 現代医療を信じていない
  • 政府や大企業を信じていない
  • 現在より過去の方が、人々の倫理観・モラルが上だったと過去を懐かしむ
  • わかりやすい悪・理論を求める
  • アニメ・漫画・映画などフィクションの知識がない

医療についての陰謀論は、本当にたくさんあります。その根底にあるのは、現代医療や政府・大企業への不信感。これがある限り、そうカンタンに、陰謀論から目覚めないような気がいたします。

医療や政府・大企業 そもそも、信頼していない

陰謀論にハマる理由と抜け出した理由


ピンクドルフィンさんの語る陰謀論・反ワクチンにハマった理由と抜け出した理由

「不安が強い人や医療を信じていない人は周りを守るという大義名分のために、頑張ってしまうのだと思います。でも、そんなことは現実の世界では誰も相手にしてくれません。だから、ネット上の仲間の存在に依存してしまうんです。過激なことを言えばより仲間意識も強まるから、思想もどんどん極端になっていきました」

陰謀論を信じていたことで失ったことも多い。「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔

SNSのアカウントを削除すると、工作員扱い

世の中で起きる悪いことは、特定の人が起こしているという考え方。いわゆる悪の帝国・悪人がいるという勧善懲悪的な考え方。それについては、為末大氏が、語ってくれています。為末氏いわく、「自分が上の地位になったとき、すべてを支配する悪人などいないとわかった。」

少しずつ社会のおそらくはある程度中心にいる人たちに会うようになって、所謂すべてをコントロールできるような人は例えすごく地位が上の人であれ、いないんだなと思うようになった。みんなバランスを保った上で自分の活動をしている。為末大:陰謀論について

 

急激な情報収集は、目覚めた人になる

洗脳・マインドコントロールの手法として、情報をうまく操る方法が2つあります。一つは、情報入手を遮断して情報飢餓の状態にする。そして、もう一つは、情報を大量に与えて、脳をショートさせる。 まったく、正反対の2つの手法。これが、脳を白紙にする2つの方法です。大量に情報を浴びた脳は、ショートしてしまい、その後に与えられた情報をスポンジのようにぐんぐんと吸収する。これによって、マインドコントロールを行うというのは、カルト系の団体や強烈な自己啓発、ブラック企業が頻繁に使う手法。

思い込みが強いからといって皆が陰謀論を信じるかというとそうではないと思う。私はこれに余裕のなさが加わると思う。余裕は余白であり、ある種の寛容さをその人の中に生み出す。何かを信じていたとしても信じていない人の意見に耳を傾ける余裕がある。何かを信じていたとしても、反対意見が書かれた書籍を読む余裕がある。その余白さえあれば全く妄信的に陰謀論を信じることはないと思う。為末大:陰謀論と余裕の関係

あのひろゆき氏の意見。グーグル検索で、上位表示される人気記事に。

 こういう「答えのないグレーな問題」が、努力家には理解されません。 「結局、誰が悪いの?」 「つまり、何が原因なの?」 「一番の悪者は誰なの?」 など、わかりやすい「敵」がいないとスッキリしないのです。犯人探しをして、「努力や根性が足りないから彼らは悪いことをしたり間違いを犯すのだ」と信じてやみません。ひろゆきの語る陰謀論にハマりやすい人

心理学者のクリスチャン・ジャレット氏の解説をまとめてみました。

・ランダムなパターンから意味のある図形を見出す傾向が高い

・ 高等教育を受けていない

 ・批判的思考スキルが低い

 ・論理の欠陥を見つける能力が低い

・ 自らの能力を高く見積もる傾向にある

 ・一般的に信じられていない事柄を信じることで、連帯感や信頼感を培う

・ 仲間同士で、同じ説を信じることで不安を抑制

これらが、陰謀論を信じやすい人の特徴だと研究結果を公開しています。

ジャレット氏は「陰謀論を信じる人々は物事を関連付けてしまうだけでなく、論理の欠陥を見つける能力も低い可能性が示されています。そして、陰謀論の多くは根本的に欠陥のある論理に基づいています」と述べています。さらに、陰謀論を信じる人々は自らの能力を高く見積もる傾向にあることも判明していることからジャレット氏は「無知と自信過剰が組み合わさって、根拠のない信念が定着するための強固な基盤が生まれています」と指摘しています。陰謀論を信じる理由



SNS(ツイッター)上で見られる陰謀論にハマる理由

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