部下と楊春

楊春が、兄弟分や家族として部下を扱っていた理由

生まれながらのリーダーではない普通のあなた。初めて部下を持った時、どういうリーダーを目指すべきか悩みますよね。

そんな悩みまくりのあなたに。

リーダーとしての心得を北方水滸伝から「楊春(ようしゅん)」に教えてもらいましょう。彼は、最初から素晴らしいリーダーだったわけではありません。賊徒の兄貴分から優秀な部隊指揮官へと成長した男ですから、参考になると思います。

部下に思い入れを持ちすぎるのも良くない場合がある

初めて、リーダーになるのって、誰でも不安ですよね。

特に、部下に強い思い入れを持ってしまう方。ある意味、部下を突き放すことができない方には、楊春の成長物語が参考になると思います。

少数を指揮すれば優秀な上司の楊春

さて、北方水滸伝の楊春は、史進(ししん)や朱武(しゅぶ)・陳達(ちんたつ)といった兄弟分といっしょに、少華山というところで賊徒として反乱を起こします。そして、梁山泊(りょうざんぱく)という反乱組織に合流。

そこは、賊徒というより国や軍に近い組織。そこで、楊春も新米指揮官として、多くの部下を持つことになるのです。そして、百人以下の小部隊を指揮すれば優秀との評価を得た楊春。ところが・・・

彼の上官である秦明(しんめい)は、納得しません。あいつは、もっと多くの部下を指揮できるはずだと考えて、副官の解珍(かいちん)に楊春を託します。

少人数の部隊の指揮をやらせれば優秀だということを解珍はじめ梁山泊の面々は、このように評価しています。そう、彼は、部下のすべてを知り、悩みを一つ一つ聞くという素晴らしい上司。でも、秦明は、もっとできるはずだと厳しい試練を与えます。

兵ひとりひとりの顔を知り、名を知る。悩みを聞いてやることもある。あれはあれで、得難い将校だとわしは思うが。

水滸伝11巻天地の章

そして、解珍と楊春は、ふたりきりで、各地を旅して回るのです。結果、楊春は、指揮官として大きく成長します。

成長した楊春は、多くの部下を率いることができるリーダーに

旅から戻り、リーダーとして成長した楊春に、同僚の郭盛(かくせい)は、質問します。

どうして、最初はほうっておくんだよ。楊春。おまえ、なんの指揮もしていないだろう。

まず。力をあわせることを教えたいからだ。喧嘩ではないということを

水滸伝十三巻:白虎の章

これは、納得ですよね。組織として力を尽くすために必要なのは、チームワーク。どんなに優秀でも1人で仕事を完結させることはありえません。

ならば、力をあわせることが一番大事。それを教えるためには、あえて見守ることから始める。

指揮官やリーダーがあれこれ口出すと、部下は、指示されることに慣れてしまい、皆が力をあわせて成し遂げるということを覚えません。

どんな組織でもある課題だと思います。

そんな楊春が成長するために続けた旅とはどんなものだったのか。現代のリーダーや部下との関係に通じるものがあると思います。

ここは、郭盛との話で、読んでみましょう。

部下のすべてを知る それは無理

俺には、ひとりという思いがなかった

人はひとりだと教え続けられながら、旅をしていたのかな。

俺は、部下と一緒だと思いたかった。それも部下のためではなく、自分のためだ。

わからねえな。人はひとりだが、部下が一緒でもある。両方あって、どうして悪いんだ。

俺には、ひとりという思いがなかった。

少数の部下なら、部下を兄弟や家族のように扱うということも可能でしょう。でも、いつもそんな扱いをするのは難しい。

そこまで、干渉されたくないという部下もいるでしょうし、部下の数が増えれば、それもできなくなる。

上司と部下が馴れ合いすぎない・思い入れが強くなりすぎないために、必要だったことがこれ。

楊春は、指揮官となった時、少華山にいた時と同じようにしてしまいます。そこでは、兄貴分がいて、兄貴とともに戦い・食い・寝るという生活でした。それと同じことを梁山泊でもしたということです。

楊春には、ずっと兄弟分がいた。ここへ来てひとりになると、部下を兄弟分のように扱い始めた。

やくざな賊徒なら、兄弟分でもいい。ここは軍だ。

部下のすべてを兄弟と思うのは、やはりだめであろうが

自分の部下であろうと「自分のコピーではなく、兄弟でも家族でもない」

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