ワンピース31巻

ワンピースのモンブラン・ノーランドさんの名言:過去の探検家や研究者達へのこれは侮辱だ

ワンピースの空島編で登場する探検家で植物学者のモンブラン・ノーランド。とある島にたどり着いた彼は、「樹熱」という疫病が流行しているのを目撃します。

しかし、島の住民は、樹熱という病気も治療方法も知りません。そのため、神官のお告げであるカシ神に生贄を捧げるようとします。疫病を祟りや呪いと考えているのが島の人達なわけです。

嘘つきノーランドさんと大戦士カルガラ:進歩とは

神官が「血を捧げよ」と言い残して死去。

ワンピース第31巻「神殺し」

カシ神への生贄

そこにたどり着いたノーランドさん。生贄にされるところだったムースという少女を助け、村人達に宣言します。

私に時間をくれと。村の悪霊は私が払うと。

「過去の偉人達の功績を無下にする様なこの儀式を私は許さん」
「人々の幸せを望み・・・海へ乗り出した探検家や研究者達へのこれは侮辱だ」

ところが、薬の材料を取りに行く途中で、地震による地割れに飲み込まれたノーランドさん。

地震を神の怒りと判断した島民たち。ムースの父親でもある「大戦士カルガラ」は、ノーランドさんを殺そうとして、地割れに飲まれた姿を見ます。

後に親友になる二人は、ここで、激論を交わすのです。

カルガラも村人のために娘の命を差し出すのが平気なわけがありません。怒りと絶望・願いを込めてノーランドに対して叫びます。

生贄が俺の娘でもか!

神官の言葉は神の言葉

従うことが村の戒律だ

娘の命だけ乞うわけにはいかん

背けば必ず裁きが下る

カルガラの必死な叫びを聞いたノーランドさんは、カルガラを説得。

私の国では、60年前・・・樹熱という疫病によって10万人の命が奪われた。

ノーランドさんと樹熱

薬さえあれば、村を救えるとカルガラに伝えます。

「この成分を世界中のどれだけの人々がどれだけの時間を費やし探し回ったか。どれだけの犠牲を伴ったかお前に分かるか。」

「この偉大な進歩をお前達は踏みつけにしているんだ。だからお前たちの儀式は、彼らへの侮辱だと言っているんだ!」

「お前たちの古い戒律こそ悪霊じゃないのか」

「そんなに神が怖いのか!」

さて、このお話について、皆さんはどのような感想を抱かれるでしょうか。これは、昔話やフィクションだけで片付けていい話ではありません。

現代でも、反ワクチンや反現代科学を唱える人々に、ノーランドさんと同じ思いを抱くことがあります。

もちろん、行き過ぎた科学に警鐘を鳴らすことも必要でしょう。だからといって、現代社会や進歩を踏みつけにしていいわけではありません。

新型コロナワクチンについてもそうです。

このワクチンを開発するために、どれだけの人が、多くの時間や犠牲を払ったか。その苦労はいかほどだったのか

反ワクチン派の人は、なぜか、そのことを理解せずに、製薬会社の陰謀だと一刀両断にしてしまい、自分達に都合の良いことばかりを訴えます。

それこそ、彼らの周囲にもいるはずの製薬会社・医師・看護師など現代医療を進歩させるための多大な努力を切って捨てるその態度。

神官(一部の扇動者)の言う戒律やお告げばかりを信じているその態度こそ悪霊ではないかと思うときがあります。

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