運動での筋肉疲労と乳酸

乳酸は筋肉疲労の原因ではなく、酸素不足でも活躍するエネルギー物質だった

運動で、からだや筋肉に疲労がたまる原因は、乳酸だということが定説です。しかし、現在は、乳酸が疲労や筋肉痛を起こす物質だという考え方は間違っていると判明しています。それどころか筋肉を動かすエネルギー源だった!なお、今でも乳酸悪玉説は根強く見かけます。

乳酸の事を知ると、プライベートジムでのトレーニング効率が上がるかも!

乳酸が筋肉疲労の原因説

筋肉から乳酸が血液に出ていき、運動を繰り返すと、血中乳酸濃度が高くなり、筋肉が動きにくくなるというのが定説

そもそも、乳酸が筋肉疲労の原因物質という説はどこから来たのでしょうか?

カエルで実験

1907年に行われた有名なカエルを使った筋肉実験がその答えです。カエルの血流を遮断し、筋肉への酸素供給をストップして、筋肉に刺激を与えると乳酸が生じました。さらに、酸素供給をして同じように刺激を与えると乳酸が無くなったのです。

この実験から、酸素の無い状態で筋肉を収縮させると乳酸が生まれて、その乳酸が溜まると筋肉疲労が生じるという説が定説に。スポーツ選手が試合後に乳酸が溜まって・・・とインタビュアーと話しているシーンは今でもこの説が信じられている証。

乳酸悪玉説の転換

1970年代に、カリフォルニア大学バークレー校のジョージ・ブルックスさんが、乳酸原因説を覆しました。ラットに乳酸を与えた後、燃料として使用され速やかに代謝されたことを発見。1988年に「スポーツ医学の国際ジャーナル」に発表しました。

ブルックスさんによると、乳酸は、酸素が不足した時だけでなく、常時、作られています。乳酸はグリコーゲン(ぶどう糖)が分解されて生成。 作られた乳酸の半分は、筋肉の燃料となるATPへと変換されます。ATP(アデノシン三リン酸)への返還割合は運動中は75~80%。残りは、再び血液の中で、肝臓へと運ばれて、グリコーゲンを作ります。

乳酸の生産に伴うATPの生産量は少ないものの、非常に素早く作られます。 その為体は、50%以上の強度で運動する時にATPをエネルギー源として利用します。 しかし休憩中や強度の弱い運動中、体は脂肪をメインエネルギー源とします。 一方50%程度の強度で運動した時は、体は炭水化物をメインエネルギー源とするのです。 炭水化物はエネルギーとして使われれば使われる程、乳酸が生産されます。ラクティック・アシッド(乳酸)と上手く付き合う方法

体内に貯められたグリコーゲンを乳酸の形で心臓や筋肉にエネルギーとして送ります。そして余った乳酸を再び肝臓がグリコーゲンとして保存します。

筋肉痛と乳酸

では、トレーニングや運動の後で生じる筋肉痛はいかがでしょうか。以前は、筋肉に溜まった乳酸が神経を刺激するという考えでした。でも上記で見てきたように、乳酸は消費されて残りません。筋肉の収縮力を低減するカルシウムなどの説がありますが、まだはっきりとした原因物質は突き止められていません。

トレーニングで乳酸

乳酸性閾値

筋肉疲労物質ではなく、エネルギー源と呼べる乳酸。ただ、乳酸が血液中に急増すると、これ以上のトレーニングや運動は無理!ということになります。

このポイントを乳酸性閾値と呼び、トレーニングの成果や限界を図るために使われています。=血液中で乳酸が球速に蓄積し始めるポイント、運動強度に対して十分な酸素供給されず、乳酸の生産で補っている点。

最初のカエルの実験を思い出してください。酸素が供給されなくなると乳酸が生産されますよね!酸素不足の状態になると、グリコーゲンから生成して体内のエネルギーとなるのが乳酸。でも身体に貯められた栄養分ですから、使いすぎてはダメ。

人によって最適な強度は異なります。この乳酸性閾値を計測しておけば、トレーニングの成果やパフォーマンスの指標として利用できる訳です。プライベートジムやアスリートは、この数値を図って練習やトレーニングを行っているケースが増えています。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


関連記事


プライベートジムの総合比較ランキング